NPO法人PEACE ON相澤(高瀬)香緒里による日誌的記録(~2007年まで)


by peaceonkaori
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ヨルダン日本大使館(9月25日)

とうとう1滴の水も出なくなってしまった。シャワーも、洗面台も、おトイレも。フロント係に訴えるも、「出ないの?」だの「もうすこし待てばいい」だのとのん気なもんだが、こちらにとってはビッグ・ムシュケラ(問題)だ。ロビーの洗面所まで往復する。

なんというか、そういうのに慣れてきた。ハエがぷーんと寄ってきても、いっこうにかまわない。蚊などは刺すので嫌い、でもハエはなにもしない。日本では必死になって追い払っていたものだけど。

フロントへ行って尋ねると、この近辺一帯が出ないという。しかし、ほかのお部屋からシャワーの出る音は聞こえていたし、ロビーのお手洗いはだいじょうぶだったのだから、むぅ、と思うしかない。いつ復旧するのかとの問いにはやはり、「インシャッラー」。

秋にイラク人を日本へ招聘するためのヴィザ取得について問い合わせようと、日本大使館へ。
ホテルから途中までバス案内をしてくださったかたもやはり、イラク人。かれ自身は戦争前からカナダに住んでいたが、1年半前までイラクに住んでいたかのじょも一緒に住むべく手続き中だという。日本旅行がしたいとおっしゃっていた。

e0058439_1749572.jpge0058439_1750795.jpgムジャンマラガダンというバスターミナルまでセルビス(乗り合いタクシー)、そこでバスに乗り継ぐ。
ここのスーク(市場)は活気に満ちていて、日用品からフルーツまで揃い賑わっていた。音割れしていても音楽をガンガンにかけているところなど、アラブやわあとかんじる。それにしてもこの陽射しのもと、果物を並べてだいじょうぶなのかしらん。
バスはだいたい150fils(1JD=1000fils)とか210filsとかいったところ(約30円)。セルビスも1人150filsずつ。バス車内でカメラを向けると、笑って撮らせてくれた。

日本大使館では、ある書記官と話をすることができた。
イラク人についてはかれらの安全上、手続きが簡素化され、例外も認められるなど、配慮されるらしい。まったくもって有り難い。
昨秋イラクで人質として殺された香田証生くんについても会話した。かれは大使館員というより1人の人間として、あんなに近くにいたのになにもできなかったことを無念に思いつづけていた。クリフホテルで証生くんを見送った従業員もこころに傷を負っていて、たまに様子を見に行っているという。大使館は(わたし達のような立場の人間に)煙たがられているかもしれませんがといってかれは恐縮していらしたが、かれはこのイラク侵略・占領についてなど率直に意見を述べてくださったし、日本人はもちろんイラク人のことをとてもしんぱいしてらした。このようなかたが働いてらっしゃって、助かった。ありがとうございます。

大使館のそばで遅い昼食。アップタウンだけあってお値段は高い。ホンムス(お豆のペースト)とラムとサラダの1人前を2人で分けてセブンアップとチャイを2人前ずつ、それで5JD=800円。
e0058439_2023341.jpge0058439_2024334.jpge0058439_20254895.jpge0058439_20263444.jpge0058439_20283194.jpgちなみに、チャイの作りかたは写真のとおり。ちいさなグラスにお砂糖を入れてチャイ(今回のはミント入り)を注ぎかき回す。ん~、タイーブ。

夜のとばり落ちるアンマンの街を独りそぞろ歩き。
標高が600~900mほどあるここヨルダン高地の気候は、埃っぽい都市の大気をのぞけば、1年前まで住んでいた長野県松本市のそれと似ている。24歳のわたしはある日突然に隠居するといって2週間後には松本に移り住み、2年を暮らした。隠居するはずの地でイラクに出逢ってしまったのだから、これはもう見えざるみ手に従うほかない。松本去る時には松本のみんなは悲しがり、未だに「いつでも帰っておいで」と云ってくれる。京都の人びともおんなじだ。帰るところがあるから、わたしはこうやって元気に活動できる。皆にありったけの感謝を捧げる。アザーンが街に鳴り響き、ポリスも散髪屋のおじさんも、絨毯を敷いてメッカに向かい祈祷していた。こころに留めておきたい刹那だった。
…すこしおセンチになったかもしれない。鬱々とした状態までもが訪れた。持病のお薬をほとんど飲んでいないから、アンマンでも症状があらわれたようだ。気をとり直そう。涼やかな微風が、頬を撫でてはとおり過ぎる。ハロー、ヨルダンの夜だ。

インターネットカフェで作業をした後、高遠菜穂子さんや細井明美さんやJVC原文次郎さん(PEACE ON賛助会員でもあります)らと集まって、イラク映像を見、話し合いをおこなった。重苦しい時間がつづいた。イラクのために、外にいるわたし達ができること。ずっとずっと考える。パレスチナ食堂で晩ごはんをともにいただいているあいだも、フラッシュバックがやって来ては消えてゆく。

裏通りでこっそりと営業しているバーで缶ビールを購入して、とぼとぼと帰路についた。酒場で買ったとはいえ、2.25JD=約370円はかなり高い。酒屋さんで買うと、1.4JDだった。
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by peaceonkaori | 2005-09-29 20:31 | 中東にて