NPO法人PEACE ON相澤(高瀬)香緒里による日誌的記録(~2007年まで)


by peaceonkaori
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強行採決のなされない瞬間

そんなこんながあってから、2日のお昼わたしは「国会まで、急いで」とタクシに飛び乗ったんであった。

5月23日に書いたように「共謀罪の奇妙な静けさ」は、わたしにとって長く短くつづいた。
わたしも協力させていただいた30日発売の「週刊SPA!」は、議員にも大臣にもぜひ読んでいただきたいものだと、ふふふと思っていた。
31日の朝刊1面には「共謀罪 成立見送り」とあり、ほっとしていいのやらどうしていいのやらで、足踏み的感覚にとらわれた。

そして一転、である。与党が民主党案を丸呑みにし、次の国会で修正を図る目論見、とのこと。それがほんとうなら、相当なめられているなと思いつつ、翻った与党はその説明責任を要する。そうはいっても、民主党がそんなことに合意するはずがない、という情報も得た。
とにかく行ってみよう。

議員会館前で大勢が歌ったり踊ったりして共謀罪に反対しているかたがたの姿が、タクシの車窓から見えた。ひそかにエールを送る。

今日も傍聴人は多かった。傍聴席は15人分しか設けられていないので、16番目のわたしはモニタのある別室で待機。ほんとういうと、こうやって傍聴に来るよりTVやインターネットで情報を追っているほうが、よっぽど事情がよく分かる。だって、ここへは筆記具しか持ってこられないんだもの(そしてそのメモ帳だって、検査で中身を確認される)。
開会予定の13時になっても中継は始まらなかった。理事会でもめているようだ。やはり民主党は頑なに拒否をつづけているもよう。
そして、ロビイストの関組長によれば、なんとあんなに通したがっていたようにみえた法務大臣の杉浦正健さんが「今日は止してくれ」とおっしゃっているという。
なんのことやらさっぱり、混乱しているということだけは分かった。こうやって何時間も待ちぼうけを食わされているのはひじょうにイライラしてしまうけれど、委員会が始まって強行採決に持ち込まれるよりかはよっぽどましな状況な訳で、大人しくしておくほかない。
また、強行採決かもしれないと、マスコミの数も凄まじいとか。こんな場面だけでなく、今までの状況を地道に報道してきたマスコミはいったいどれだけあるのか? 多くの情報を市民に提示して考える材料にしてもらうのが、マスコミの役目ではないのか? やれやれ、なんて云っても仕方ないけど…やれやれ。

4時間半以上の缶詰め状態の後、17時45分から委員会が始まった。野党委員は欠席。
自民党の西川公也さんが冒頭、再三の協議で機は熟したのに野党は採決に応じてくれないと、こぼされる。
これにたいし早川忠孝さんが、5月19日から26日にかけて与野党で共同修正を試みたが至らず、26日に委員長の石原伸晃さんから言われ実務者協議をおこなった旨を話された。
外務副大臣の塩崎恭久さんは、「条約の担保要請を改めて申しあげただけで、早期成立を希望する」と外務大臣の麻生太郎さんの伝言を読みあげられた。麻生発言が民主を撥ねつけた原因でもあるため、そのような発言が必要だったのだろう。
西川さんがまた、なんだかんだとねちっこく述べられるのだが、なにか異様に空気が動いて、強行採決されることなく、18時15分に委員会は終了した。

細かい理由は分からない、けど与党はどうしても強行採決に踏み切れないらしい。委員会には、たしかに異様な空気があった。「とうとう来る!」と目をつぶりそうになったら、委員長は閉会を告げたのだ。政党間の駆け引きで、このような悪法が決まるか決まらんか変わってくるのだろうか? わたし達の知りえないものが、うごめいているのだろうか? わたしは気味が悪いような気になって、もうすでにニュースやらなんやらで事情は分かったにもかかわらず、今日までこのもようを本ウェブログに記録できなかった。政治には、不思議に気味の悪い瞬間というものがあるのだなあ、と。

帰宅して、民主党の法務委員の全員に、今日の英断ありがとう、とファクスを送っておいた。とりあえず。
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by peaceonkaori | 2006-06-08 21:16 | 国内活動