NPO法人PEACE ON相澤(高瀬)香緒里による日誌的記録(~2007年まで)


by peaceonkaori
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マッサラーマ(さようなら)完結編

じつはまだ完結していなかったイラーキー滞在記、2006年のうちになんとか書きあげよう。2月も前のことになって、すみません。

10月8日、さようならの朝は早い。ゆうべは遅くまで起きていたから皆ぐったりとしていたが、それでも帰り支度をきびきびとこなす。
体調をこじらせても飛行場まで見送ろうとするわたしに、ハニシルワンも気を遣って「かおりはここ事務所でいい」と云う。「なんで? わたしとアンタ達は兄妹やんか」との言葉に、2人はおれた。

e0058439_18412382.jpg成田空港では、すんなりとチェックインも済まし、最後のティータイム。すこし寂しいけれど、まだ冗談ばっかり言ってるこのひと達。でもね、何度もお礼を述べられると、ほんとうに涙が出てきそうになるんよ。握手とキス。
いよいよ2人は、チケットをもぎられボディチェックを受けて、壁の向こうへ。大きく大きく手を振った。マッサラーマは笑顔でね。

e0058439_18413696.jpg2人が見えなくなると途端にわたしは、荷物用のカートに倒れこんでYATCHに運ばれる。ほかのお客はギョッとしたり見ないふりをしていたけれど、そんなのおかまいなし。10日間の記憶の渦が.......
この日から3日3晩、わたしは寝たきりとなった。

いつも歌うか踊るか描くかしていた2人。すっかり筆ペンが気に入って、色紙の裏にも菓子箱のなかにもその辺の紙袋にも絵や漢字を描きなぐっていたシルワン。シルワンより1つ年下なのに、ハニはまるで父親のように面倒をみていた。中和ギャラリーやオーナーへの感謝の歌を作っては歌いまくっていた2人。「ふるさと」の歌をがんばって覚えようとしていたシルワン。それを替え歌にして大笑いのハニ。「スーラ(写真)」と云ってはわたしに何100枚も撮らせようとするハニ。シルワンは座禅を組もうとして、おどけてオナラの出る真似をする。おんなのこなら誰でもガールフレンドにしたがるシルワンと、それを羨ましがる既婚者のハニ。わたし達の分からないアラビア語でなにか冗談めいたことを言っては笑い合っていた2人。わたしのイラク訛りの「ムー(でしょ)?」が面白いらしく、2人でいっつも真似していたよね。ハニが小銭があまりわたし達にジュースをおごってくれるというので、疲れ切っていたわたしらは「パワー!パワー!」と栄養ドリンクを求めたっけ。
みんなみーんな、たいせつな思い出。

数日後、ぶじに戻ったかとヨルダンのハニに電話をかけてみる。シルワンもハニもマーシー(だいじょうぶ)ですって。なら、連絡よこせよ。
ハニは、「かおり、カートに乗っていただろう。知ってんだぞ」とにやにや。「えー、なんで?」と不思議がるわたし。ばいばいした後も、硝子の壁でお見通しだったみたい。ンもう、ほんまに意地悪なんやからー。でも、ぶじでなにより。

今回の招聘企画では、賛同金が思うように集まらず、大赤字となってしまった。PEACE ON運営にとって、大打撃となるだろう(もうなってる)。しかし、ひととひととを繋ぐ芸術をとおしてのイラク支援への貢献、これはわたし達にとって大きな収穫となったはずだ。
今後も、イラクほかアラブの文化を日本に紹介しつづけるし、日本の文化もアラブに発信してゆく。わたし達は友となって、ずっとずっと繋がりつづけるんだ。お互いに、スドゥク(誠実)のこころでもって。 アルハムドゥリッラー(神のおかげで)!
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by peaceonkaori | 2006-12-30 18:41 | イラク人来日プロジェクト