NPO法人PEACE ON相澤(高瀬)香緒里による日誌的記録(~2007年まで)


by peaceonkaori
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

2006年 06月 08日 ( 2 )

6日に文京シビック小ホールで開催された「おかしいぞ!警察・検察・裁判所」第4弾「共謀罪をぶっつぶせ!」へ行ってきた。
行く前は、持病の発作のようなものに見舞われびくびくしながらの参加だったけれど、充実した3時間を過ごすことができた。ほっ。

まずは、弁護士である安田好弘さんの講演。
1999年の山口県光市の母子殺害事件の少年の被告の話を挙げ、これはいかに自白させて作り上げた事件か、また事実を検証しようとしない裁判所、「国民的生存権を保たなければならない、悪のもとを断たなければならない、未成年など考慮すべきでない」と死刑を求める検察のことなど、司法がイコール行政になってしまっている現実をお話くださった。
このような司法に共謀罪を握らせたらどうなるのか、ということだ。

第2部は、色いろな事件の「被告」や関係者のスピーチ。
たった2行の「他人の権利を害してまで表現の自由を行使してはいけない」と判決された立川反戦ビラ事件の大西章寛さん、社会保険庁職員で選挙チラシ配布をした国公法弾圧事件の堀越明男さん、新宿の野宿者を無罪にした裁判長だのに都庁や公安の圧力によって悲しい有罪となってしまった板橋高校事件の藤田勝久さん、344日も不当に拘留され裁判でも頻繁な裁判官の交代で無罪を妨げられているJR浦和電車区事件の大澗慶逸さん、関西からは連帯労組関西生コン支部弾圧事件の西山直洋さんが、発言された。
共謀罪が成立していない現在でも、このような事件が多く発生している。ケースは違えど皆さん一様に、「司法は壊れている」とおっしゃっていた。

e0058439_22285548.jpgつづいてのパネルディスカッションでは、途中でヒューザーの小嶋さんの面会に行ってしまわれた安田さんと、60年前は沖縄の海が沖縄の人を助けたのに今はイラクへ海兵隊を送るという人殺しの島になっていると嘆かれたジャーナリストの大谷昭宏さん、共謀罪は「殺笑罪」になっていると揶揄された評論家の佐高信さん、イラク派兵からすでに戦時下なんだとおっしゃった漫画家の石坂啓さん、こども全員が対象となる教育基本法改悪にも目を向けてくださいと訴えられた社民党の保坂展人さんが、ご出演。
保坂さんからは、今日やっと、(どんでん返しにならない限り)共謀罪が"フリーズ"になったという朗報があった。秋の臨時国会に向けて闘いはつづくとはいえ、ひとまずは休める~、というか休ませてぇ。
「責任逃れしつづける司法の責任を追及せよ」、また共謀罪について「思想が普遍的になればなるほど、越境性を帯びるではないか」とひどくまっとうなことを云われた安田さん、そして「戦争の始まりなんてどこでどうやって分かる? もうこの国は戦時下なのよ」と卒業式などの例を挙げてくださった石坂さんのお言葉が、ひじょうに印象に残る時間だった。
わたしも、2004年10月に香田証生さんが日本の人質として殺されたあの瞬間には、日本は戦時下なのだと実感して震えたものだ。わたし達のこの国は、もう何年も戦争をつづけている。

弁護士だって代議士だって漫画家だって、アプローチの仕方は様ざまだ。わたしのようなNPO職員にもやることは、山とある。この絶望的と思えるような社会においても、各方面で繋がってやっていこうと思えた集会だった。やったるえ!と、終了後に立ち呑み屋で生ビールやりつつ決意を新たにするのであった。
[PR]
by peaceonkaori | 2006-06-08 22:27 | 国内活動
そんなこんながあってから、2日のお昼わたしは「国会まで、急いで」とタクシに飛び乗ったんであった。

5月23日に書いたように「共謀罪の奇妙な静けさ」は、わたしにとって長く短くつづいた。
わたしも協力させていただいた30日発売の「週刊SPA!」は、議員にも大臣にもぜひ読んでいただきたいものだと、ふふふと思っていた。
31日の朝刊1面には「共謀罪 成立見送り」とあり、ほっとしていいのやらどうしていいのやらで、足踏み的感覚にとらわれた。

そして一転、である。与党が民主党案を丸呑みにし、次の国会で修正を図る目論見、とのこと。それがほんとうなら、相当なめられているなと思いつつ、翻った与党はその説明責任を要する。そうはいっても、民主党がそんなことに合意するはずがない、という情報も得た。
とにかく行ってみよう。

議員会館前で大勢が歌ったり踊ったりして共謀罪に反対しているかたがたの姿が、タクシの車窓から見えた。ひそかにエールを送る。

今日も傍聴人は多かった。傍聴席は15人分しか設けられていないので、16番目のわたしはモニタのある別室で待機。ほんとういうと、こうやって傍聴に来るよりTVやインターネットで情報を追っているほうが、よっぽど事情がよく分かる。だって、ここへは筆記具しか持ってこられないんだもの(そしてそのメモ帳だって、検査で中身を確認される)。
開会予定の13時になっても中継は始まらなかった。理事会でもめているようだ。やはり民主党は頑なに拒否をつづけているもよう。
そして、ロビイストの関組長によれば、なんとあんなに通したがっていたようにみえた法務大臣の杉浦正健さんが「今日は止してくれ」とおっしゃっているという。
なんのことやらさっぱり、混乱しているということだけは分かった。こうやって何時間も待ちぼうけを食わされているのはひじょうにイライラしてしまうけれど、委員会が始まって強行採決に持ち込まれるよりかはよっぽどましな状況な訳で、大人しくしておくほかない。
また、強行採決かもしれないと、マスコミの数も凄まじいとか。こんな場面だけでなく、今までの状況を地道に報道してきたマスコミはいったいどれだけあるのか? 多くの情報を市民に提示して考える材料にしてもらうのが、マスコミの役目ではないのか? やれやれ、なんて云っても仕方ないけど…やれやれ。

4時間半以上の缶詰め状態の後、17時45分から委員会が始まった。野党委員は欠席。
自民党の西川公也さんが冒頭、再三の協議で機は熟したのに野党は採決に応じてくれないと、こぼされる。
これにたいし早川忠孝さんが、5月19日から26日にかけて与野党で共同修正を試みたが至らず、26日に委員長の石原伸晃さんから言われ実務者協議をおこなった旨を話された。
外務副大臣の塩崎恭久さんは、「条約の担保要請を改めて申しあげただけで、早期成立を希望する」と外務大臣の麻生太郎さんの伝言を読みあげられた。麻生発言が民主を撥ねつけた原因でもあるため、そのような発言が必要だったのだろう。
西川さんがまた、なんだかんだとねちっこく述べられるのだが、なにか異様に空気が動いて、強行採決されることなく、18時15分に委員会は終了した。

細かい理由は分からない、けど与党はどうしても強行採決に踏み切れないらしい。委員会には、たしかに異様な空気があった。「とうとう来る!」と目をつぶりそうになったら、委員長は閉会を告げたのだ。政党間の駆け引きで、このような悪法が決まるか決まらんか変わってくるのだろうか? わたし達の知りえないものが、うごめいているのだろうか? わたしは気味が悪いような気になって、もうすでにニュースやらなんやらで事情は分かったにもかかわらず、今日までこのもようを本ウェブログに記録できなかった。政治には、不思議に気味の悪い瞬間というものがあるのだなあ、と。

帰宅して、民主党の法務委員の全員に、今日の英断ありがとう、とファクスを送っておいた。とりあえず。
[PR]
by peaceonkaori | 2006-06-08 21:16 | 国内活動