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NPO法人PEACE ON相澤(高瀬)香緒里による日誌的記録(~2007年まで)


by peaceonkaori
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展覧会オープニング

1日、夜。明日が展覧会の初日なので、YATCHとわたしだけでなく、シルワンハニもなにかしら働いている。
シルワンは、今回のために作ったカタログに半透明の紙に印刷した日本語のC.V.を1冊1冊ていねいに貼りつけている。手づくりの恰好よいカタログがたくさんできあがった。
わたし達は絵画の価格設定を相談していたのだが、ちょっとしたことから途中でわたしが不機嫌になり、いっさい口を出さずほかの仕事をし始めた。この異様なムードに、ハニは微笑みながらわたしのこころをほぐしてゆく。「俺はムジャヒディンだ。カオリのすきなひとを殺すぞ。さあ、カオリはどうする?」「いやや、わたしは殺されてもすきなひとを守る。」「だろ? じゃあ、すきなひととキスをしなさい」なんて。さっすが、ひとの親であるハニ。まいったよ、ごめんネ。

翌2日。雨もやんで、ドギマギのオープニング。シルワンはピシッとスーツにお着替え。画家にとって初日というのはとても重要なものなんだろうと分かる。とはいっても、相変わらず歌ったり冗談をとばしたりのかれらなのだけど。

展覧会オープニング_e0058439_1761932.jpg午後3時からは記者会見。
今回のシルワンの絵の群れは、一貫している。テーマは、"恐怖と逃亡"。牛や馬や古代の神話的な動物をモチーフに、アラビア文字をあしらったりして、動きがあるし、生がある。なんというか、真に洗練されたものどもなのだ。同時代を生きるシルワンとわたしを繋ぐもの、それが芸術でありかれの作品なんであった。

展覧会オープニング_e0058439_1763135.jpgだんだんとお客さんも増えだして、午後5時からはオープニングパーティ。
イラク大使もお見えになって、みんなで展覧会の開催をお祝いした。イラク大使のアル・ジュマイリさんはわたしを見るなり、「いつになったら我が家に来るんだい?」ですって。じつは、数か月前に「ハニさんが寄贈した絵が飾ってあるのも見たいので、公邸へ行ってもよろしいですか?」とメールを出していたのだった。お返事もくれなかったのに、ンもう。でも、ジュマイリさんファンのわたしはニコニコ、大使もニコニコ。お忙しいなかお越しくださって、ほんとうありがとう。大使らは、ラマダン中だからといって飲食物には手をつけられなかった。そうだった、失礼しました。シルワンとハニも、さすがに大使らが帰られるまでは手をつけないでいた。

帰りの地下鉄のホームで、ひとによっかかって眠ろうとしているわたしを見て、シルワンは目をギョロギョロさせて驚いていた。日本人てのは疲れるねんよ、とくに東京ってところはね。
by peaceonkaori | 2006-10-18 17:07